Hozen: covered food box with pine sprout design, gold over green glaze
Mouth diameter 19.1cm
高さ14.4cm 口径19.1cm 底径13.7cm
共箱の蓋表に 「若松彫金溜 交趾焼喰籠 山道蓋」と記され、蓋裏に「善一郎造」と書して永楽印を捺していますが、いうまでもなく交趾焼の本歌にはこのような作行きのものはありません。むしろ茶味の深い作振りのもので、保全の創意になるものといえます。保全の作品のなかでは、古来もっとも有名なものの一つで、被せ蓋の縁を山道状にあらわし、身蓋とも若松の文様を深く線彫りし、そこに金泥をうめています。緑地に金の文様がよく映えて、永楽の茶陶のなかでも雅味の深いものの一つです。高台には六方に小さな透しをつけて、横筋の縁文様をめぐらしています。やややわらかく焼き上がり、手取りは以外に軽いです。白釉のかかった高台内中央に永楽印が捺され、蓋裏の内側角に「河濱支流」の印が捺されています。
