飴釉手付水指 初代大樋

飴釉手付水指 初代大樋
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
飴釉手付水指 初代大樋
飴釉手付水指 初代大樋

Ōhi I: water pitcher with handle, amber glaze
Height 28.4cm
高さ28.4cm 口径11.1cm 左右27.9cm 底径16.7cm
 これも仙叟好みと伝えられ、初代大樋の代表作として著名なものです。いかにも素人作りのようなざんぐりとした作振りの手付水指で、胴には注口がついています。共蓋の表には海老の鈕、胴には不規則に横筋文様を施していますが、おそらく流水をあらわしたものでしょう。全面に飴釉がかかっていますが、よく溶けています。内箱蓋裏に 「宗室上京の砌吾をしたいんにハ此水さしを見よかし予も又汝をなつかしく思ハン時ハ是を見るべしと今一ツをいへつとにせられし由 元祖長左衛門申遺せしと 四代目勘兵衛か物語にまかせて記 一井庵不言斎(花押)」 と記されています。伝えによると、仙叟がこれと同様のものを二つ作らせ、一つは自分に、もう一つは大樋に残して去ったといういわれのあるものです。一連の仙叟好みは、このように、まことに無邪気にざんぐりとした作振りのものが多いです。

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