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鶴田 純久の章 お話

 これらも浅い立上りの古鍋島様式五寸皿であり、おそらく南川原藩窯の後期の作品と思われるが、墨はじきを用いた文様の表現はすでに完成の域に達している。技術的には鍋島藩窯が南川原時代に高度なものに達していたことを明確に物語っている。表面の精緻さに比して、裏文様は古鍋島独特のやや粗放な筆致で、第89図には五方に花を配した牡丹唐草文、第90図には三方に折枝文を配している。

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