備前 徳利 銘 年わすれ

備前 徳利 銘 年わすれ
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

Bizen wine bottle、 known as ‘Toshiwasure’
高さ15.7cm 口径3.9cm 胴径8.8cm 底径5.1cm
 徳利はざんぐりと焼き上がっていたが、この作品はしっかりと焼き締まっています。また、前者の稚拙味のある姿に対して、流れるような曲線美を示してすらりと立ち上がっています。しかし、固苦しい姿ではなく、剽軽たおもしろみも十分でしょう。かなり厚手に轆轤びきされたらしく手取りは意外に重い。窯変の景が、あたかも器形に応じて意匠されたかのように焼き上がっていますが、これほどおもしろみのある景色は極めて稀でしょう。胴裾に一粒石櫨があらわれ、裾回りから底に木箆を回して形を整えています。「年わすれ」の銘 は、おそらく作振りのおもしろさに魅せられて齢を忘れるという意味ではないでしょうか。
 藤田家伝来。

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