交趾菊蟹香合 こうちきくかにこうごう

交趾菊蟹香合
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鶴田 純久の章 お話
交趾菊蟹香合
交趾菊蟹香合

形物香合番付東方前頭三枚目。
 番付では「惣黄」のものを上位としているが、しかし実際には蟹が紫のものがほとんどで、まだ黄釉の蟹は見当たらない。この香合も全体が澄んだ青色で、蓋甲の蟹だけが紫色に浮刻されており、鮮明でしかも厚みがある。総体に貫禄を示し、土味は柔らかい。
 菊花に蟹を配して「華甲」と称する画題によってできた形であろう。
古くかかこう文人に愛された蟹と、同じく文人好みの菊花とをとり合わせたところに、魅力が生まれたようである。
交趾香合中では数の少ないものである。
【付属物】箱―書付平瀬露香筆
【伝来】三井家
【寸法】 高さ:5.4 口径:5.6 胴径:6.6 底径:4.4 重さ:120

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