芦屋釜。
やや横ひろがりの真形釜。
口造りは繰口、鐶付は亀形、肩には筋をめぐらして、胴には一面に尉・姥の姿を現わし、他面には竹林に鶴を配し、図の間に「我見ても久しくなりぬ住吉のきしの姫松幾代へぬらん」と『古今集』の歌を鋳出している。
「高砂釜」の名も尉姥の図から名付けられたもので、亀形の鐶付も吉祥図にふさわしい。
この図は足利義政好みで、下絵は土佐光信と伝えられている。
【付属物】 中箱桐白木書付添状屋六兵衛光福筆
【伝来】比喜田宗積―天王寺屋大眉―鴻池家一筋屋六兵衛光福 戸田露吟 柏木和楽庵益田鈍翁
【寸法】 高さ:19.3 口径:12.6 胴径:24.0 底径:12.7 重さ:3120