赤楽 ノンカウ七種ノ内
付属物
内箱 杉 白木 書付 覚々斎宗左筆 同蓋裏書付同筆
外箱 桐 白木 書付 久田宗悦筆 同蓋裏書付同筆
添状 碌々斎宗左筆
伝来
久田宗全―舟木宗川―小川地黄丸―久田宗全の孫宗悦（西雲寺湛嶺和尚を仲介として入手）―表千家一室町 三井家
所載
本朝陶器攷証 閑窓雑記 草間和楽著 茶器名物図彙 大正名器鑑
寸法
高さ：8.8～9.0cm 口径：11.9～12.2cm 高台径：5.8cm 同高さ：0.6cm 重さ：388g
鵺（ぬえ）とは原叟銘で、正面の黒刷毛に源三位頼政鵺退治の闇夜を連想して名付けたものであろう。
素地は赤く土見ずであるが、その鮮やかな色合いからみて、黄土を塗ったものであろう。口縁はやや抱えて山道となり、竪横の踊り箆を使って、作行きに変化を出している。また半面には緑釉を交え、正面に大きく黒刷毛を塗って、 意表に出た放胆な意匠をこらしている。失透ぎみの釉を透して冴えた赤みの隠見するうちに、釉肌いったいに白いむらむらが浮んでいる。高台は切込み深く、畳付は平らで、朱色のうちに黄味も見え、内に楽印が捺されている。強い踊り箆に、赤・黒・緑の色合いも華やかで、この派手な意匠にもノンコウの特色はよく表現されている。
