本能寺文琳

別名　朝倉文琳　唐物　大名物
付属物
蓋六　内五窠内一上古　蓋箱　桐白木書付　松平不昧筆
仕覆六　仕覆箱三桐白木　書付　仕覆総箱　桐白木書付　松平不昧筆　挽家　象牙
家仕覆いちご切
堆朱五葉盆　内赤縁　外堆朱彫物　底　黒漆　張成彫名
内箱　桐白木　外箱　黒塗　几帳面　鉄錠前付　添状箱　桐　白木　書付　松平不昧筆　盆箱　桐白木　書付　松平不昧筆
由緒書　中井主水より小堀仁右衛門あて
伝来
朝倉義景―織田信長―本能寺―中井大和守―松平不昧
所載　古今名物類聚　茶入名物記　雲州松平家文書
大崎様御道具代御手控　大円庵茶会記　大正名器鑑
寸法
高さ：7.3cm　口径：2.7cm　胴径：6.9cm　底径：3.0cm　重さ：90g

　この茶入は、松平不昧が、多数の蔵器中、もっとも愛好した茶入で、伝来もよく、その要点すべてが整い、大名物中でも格別の優位を認めらるべき茶入である。
　筆者は雲州家において拝見し、また現蔵者のところでも再見したが、口作りはややのび、肩には少しく角があり、胴ふくらみ、えもいわれぬよき姿、釉も濃く艶もよい。
　肩より静かにかかる釉があり、その脇に釉変りがあって、よき置き形である。底はしまって本糸切りあざやかで美しき盆付である。仕覆は六個。名物切の上品を取り合わせ用いられている。この茶入にかけられた仕覆の中の一個、水鳥純子を本能寺切とよぶ。