


伝来
益田鈍翁
寸法
高サ3.5cm
口径6.7―8.4cm
重サ60g
この香合は、鶴丸螺鈿、総雷文蒔絵、長角錫縁で、蓋裏と身のうち、盆付とも菊花の蒔絵が施してあり、まことに精巧なものである。
時代もふるく、昔の名称でいうと、蒔絵の最高とされた「保元時代」といわれるものであろうか。これに類する時代品はまことに少ない。
茶道の初期では、中国の漆器香合ばかりを賞玩していたが、徳川の初期頃となって、このような名品があることを知った茶人は、積極的に茶の香合として採用したのであった。
この香合は、昔は、貴人の化粧道具の一つであり、わが国の美術の特徴としても珍重すべきものである。
かくのごとく年代の古いもので、大きなきずもなく、よく保存されているものははなはだ少ない。
益田鈍翁が久しくこれを愛用して、蒔絵香合中の逸品と称し、手中の玉としていたことは有名である。




