
重文
寸法
高さ:28.2cm 口径:5.9cm 胴径:10.6~13.0cm 底径:8.3cm 重さ:900g
所蔵者 東京 五島美術館
この作品は一見して明の嘉靖年代の製作であることが判定できる。すなわち、高台の萌黄の色調などは嘉靖独特である。嘉靖年製と判定することは容易だが、金襴手が日本に数十点もあるのに、ほんものの中国に見られぬとはどんなものだろう。はたして金襴手の技法が景徳鎮に行われていたかどうかが疑問である。
金襴手といえば、われらの見るところは細工物である。中国の官窯で、あの虫眼鏡で見るような細工物がまかり通ったと思えない。
序論でもいったが、このような見事なものはたまたま景徳鎮のある裏長屋あたりに名人といわれる個人作家がいて、ながい時間をかけてつくった作品だろうというのが私の見方である。
とにかく、この世界的美術品が謎に包まれていることはおもしろい。
中国では水注か酒注に使ったものであろう。わが国に伝わったのは、江戸時代上期頃と思われるが、これをお茶に花入として使用したのは、比較的近世のことである。



