高さ34.8cm 口径5.7㎝ 胴径18.4cm 底径11.1cm
頚部が破損しているが、裾の強く張った、力強い作振りの徳利である。粉引や飴釉のかかった李朝前期の徳利にこのような形式のものがある。明らかに李朝風の器形を伝えた大振りり徳利である。胴には濃い上質のコバルトで一方には松と竹の文様、背面には晦の文様を縦長にくっきりとあらわしている。頚部が破損してはいるが、初期伊万里染付のなかでも傑出した作例の一つと思われる。高台内を浅く削り込み、畳付には小砂が付着している。土膚がやや荒れぎみに焼き上がっているのが惜しまれる。