高さ27.2cm 口径3.9cm 胴径16.2cm 底径6.1×7.9cm
あたかも明初から宣徳頃にかけての瓢形扁壺そのままの作例である。明らかにこの種の明初の染付瓢形扁壺を写したもので、かつて例を見ない作品である。しかし染付、素地、その他詳細に検討すると伊万里以外には考えられないもので、今後この種のものがさらに発見される可能性があるといえる。ことに、胴にあらわされた巴文を中心とする八弁の花文、さらに円形の七宝地文の縁文様など伊万里らしい表現である。側面には唐草風の文様をめぐらしている。製作年代は判然としないが、これもまた寛文以前と考えられる。