Dish with mandarin orange design. enamelled ware
高さ7.4cm 口径30.0cm 高台径14.9cm
箱根美術館
桃果と同じく、吉祥文様である果実をつけた橘樹を画面いっぱいに堂々とあらわしています。太々と力強く立ち上がった樹幹の染付だみ塗りはほとんどむらがなく、たわわに実った橘果は赤で縁どって黄をさし、葉には緑と黄緑をさして変化をつけています。上絵具の発色はいずれも良好ですが、全体に強い色が使われていないため、染付の大樹のみが浮きでて見えますので、色絵としてはいささか印象を弱めています。裏面、高台の染付文様は桃果文皿とまったく同様です。因みに橘果の図様は、当時刊行されていた『絵手本稽古帳』に取材したことは明らかですが、大川内藩窯の熟練した画工は、それをいちだんと見事にまとめあげています。