太鼓胴形平水指。
重文。
仁清作として比較的重厚な姿。
梅の古木に赤と金かんにゅう銀彩の梅花がまさに満開、緑色鮮やかな笹を配し、上下を一線の紅色で区切って図柄を引き締めています。
絢爛の中に連銭貫入が自然に現われているのも、豪華中の佗びの添景として面白いです。
なお仁清を指導した金森宗和の弟子には、後西院・常修院宮・近衛応山・一条恵観その他の公家茶人があり、これら宮廷人の一種王朝趣味が、仁清作に反映したことはむしろ当然です。
さらに仁清には水指はもとより、茶壺・茶入・茶碗・香炉・香合その他の器種と、国焼各地の陶芸も多いです。
【寸法】 高さ:14.3 口径:23.3 底径:20.7 重さ:2200
【所蔵】石川県美術館
色絵梅図平水指
Ninsei: shallow mizusashi (water jar for use in tea ceremony) with plumtree design, enamelled wareMouth diameter 22.5~23.1cm Ishikawa Prefectural Art MuseumRegistered as Important Cultural Property
高さ14.6cm 口径23.1cm 底径20.9cm
重要文化財
石川県立美術館
一重口寸胴形の大振りの平水指で、全面に白濁色の釉がかかり、口まわりと胴裾に赤と金で筋をめぐらし、胴には咲きほこる梅の老樹をあたかも蒔絵のような趣に、あでやかに描いている。老樹のまわりには笹を配し、土坡には金泥を加えている。仁清の残した水指のなかでは他に例を見ない姿であり、また大作である。底に仁清の小印が捺されているが、釉がかかっているので判然としない。石川県立美術館に石黒伝六氏が寄贈されたものである。