完全燃焼の焔で酸素に富む火焔であります。
すなわち窯内に通風が十分である時に生じる火焔であります。
酸化焔焼成というのは、金属に例えると鉄を赤さびにし銅を青さびに変化させる焔で焼くことであります。
一般に陶器は酸化焔で焼き、磁器は還元焔で焼きます。
ただしまれに酸化焼成による磁器があります。
やきものの着色料である酸化金属は、焼成焔の酸化と還元との別によって呈色を異にします。
同じ白釉によって例を挙げますと、定窯の白磁などは酸化焼成であるため、不純物として微量に存在する鉄が赤味を呈して白中にかすかに赤を帯び、景徳鎮の白磁は還元焼成であるため、微量の鉄分が還元焔によって青味を白中に点在します。