中国古代の土器で、表面に縄目のように表わされた文様を付けたものをいいます。
良質の黒陶を除いて仰詔・竜山期から漢代に至るまでの中国古代の土器は多くが巻上げの手法によってつくられていますが、その成形の際器の内外から板などを使って器壁を叩き締める。
この板に粘土がくっつくのを防ぐため縄を巻く。
この縄目の文様が全体に平行に現われ、あたかも理のようなところから縄理文と呼ばれる。
仰詔期の彩陶など良質の土器はおそらくこの縄目の表面をさらに磨いて滑らかにしたものであるでしょう。
仰詔期には総理文土器はまだ少ないが、竜山期を通じて次第にふえ殷・周時代に盛行します。
仰詔・竜山期では粗器に、殷から漢代にかけては灰陶に特に多く、時に紅陶にもみられることがありますが、実際に日常使用する実用の土器に多く付けられたものといえよう。
この文様を中国では縄文といいますが、わが国の縄文が縄を回転させて文様をつくるのと異なり平行に叩いて付けた文様で、両者には区別があります。
なお、この文様は朝鮮半島の陶質土器や埴質土器にも多いようです。