Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

名物。楽焼茶碗、赤、長次郎作。
長次郎の人間わざでない非凡の作行を賞賛しての銘であるといわれます。
丈の高い筒形の茶碗で、口縁の下に横筋を一線巡らし、この筋に沿って茶碗の全面を廻って檜垣のような箆筋があります。
胴のところでややくくれ、腰が張り、作行は無造作で極めて不規則、佗び味十分です。
総体の麗わしい赤釉のうちに青釉の浸み模様があり、また粉を吹いたような白釉の掛かったところもあって、釉色が変化に富んでいます。
もと江戸の冬木喜平治所持、のち姫路侯、酒井家に伝わりました。
(『大正名器鑑』)

前に戻る
Facebook
Twitter
Email