やきものの上に焼き付けた写真。
陶器写真の原理は、糊精・糖蜜・アラビアゴムのような粘性のある有機化合物と重クロム酸塩類との混合物が、光の作用を受けて粘性を失うという性質を利用したものであります。
すなわちこれらの混合液をやきもの上に塗布して乾かし、その上に透明陽板を密着させて光を当てれば、光の作用を受けた部分は粘性を失いその他の部分はもとのまま残ります。
その上に無機性の熔けやすい粉末を撒布して軽く刷毛でぬぐえば、粉末は粘性の残留した部分にのみ付着して光の作用を受けた部分には付着しないようです。
こうしてやきもの上に陽画写真ができ、これを窯中で低温で焼けば糊精・砂糖などの有機物はみな炭化し、無機性の粉末は火熱に熔けてやきもの上に付着し写真模様が現れます。
ただし実際工業的には、感光物質を最初からやきもの上に塗布して焼き付けることは多くの場合困難ですので、あらかじめガラス板上に上記の手段によって写真画をつくり、この写真膜をガラスから剥離してやきもの上に貼り付けるのが便利であります。
なおこの他にも種種の方法があります。