品目:織部唐津 草紋沓形ぐい呑 鶴田 純久作
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◇寸法 長径:約25.8センチ × 高さ:約10.9センチ 重さ:約118グラム
◇このぐい呑は、やや大きめの沓形のぐい呑です。黒織部風で全体に漆黒のようなにぶく艶のある黒釉をかけ正面と裏面に窓を開けそこに鉄絵の具て゛草文が描かれ透明感のある釉薬がかけられています。二種の上薬の溶け合い鉄の絵の具の変化などが景色を醸し出しています。
◇やや砂気がある土味で、手練で制作され口縁部は波打って偏円になっています。高台は半分二重高台と三日月高台とに面白く削られています。
—–予備説明—–
◇織部唐津(おりべからつ)とは、一般に古唐津の窯で美濃や瀬戸の地方で焼かれた織部焼の装飾方や技法が入る唐津焼で、真円形で作る唐津の技法と重ね合った方法で表現されています。唐津と織部は土の色は違えども焼成方法は一緒というのが適したのだと思います。それぞれの土の性質で成型方法は異なりますが装飾方法が同じという所が見所です。
◇三日月高台(みかづきこうだい)とは、器の高台を削り出すときに轆轤で削るのですが昔の轆轤は芯が取れずに生じたり、技術が卓越で手早く刷り出すと左右ずれがあたかも三日月のように見えそう呼ばれるようになりました。これも日本人特有の美意識が粋で使う呼び名だと思います。
◇沓形(くつがた)とは形が米粒の形とか神主がはく履き物の形からと言う説があります。丸い形を基本とする唐津風の製作法に織部好みとされる歪んだ様が合わさり楕円に変形させています。これは織部等の手練制作の沓茶碗とは違った、轆轤の妙技が入った唐津ならではの沓形茶碗となりそれが見所となります。
片口の水切り
古唐津古窯跡地でほぼ共通しています。大きさや焼方は色々有るけれども片口の作り方は同じようです。水切りは抜群に機能しています。現在は装飾のため片口が造られていますが、元々用をなすために造られた片口で四百年前はそれが当たり