朝鮮産三島手の一種。
時代は古三島よりやや降るようであります。
地釉は青磁を見るような萌黄色が少しどんより曇った鼠色がかった色合であります。
これに象嵌文様かおり、高台は土を見せないようです。
文様は理路のようなものを矢筈に組んだ帯文様が一段あるようで、その下に梅花または菊花、あるいは四弁の花文などが並んだ一段の帯文様があるようで、さらにその下に矢筈の靉路文があるように、相互に段をなして二段あるいは三段、五段に至る。
このほか梅の花のような文様の列の下に蓮華の花弁を雁木の形に並べた段があって、この二つが相互に重なって二段・三段・五段をなすものがあります。
また五段がおのおのその文様を異にするものもあります。
ただ唐草文のみから成るものは未だ見られないようです。
一般に器の内面と外面とは文様の段数が異なり、外面のほうが多いのを常とします。
そうでないものは極めてまれであります。
(『万宝全書』『茶道笙蹄』『高麗窯茶器』『茶碗図彙』)