甕体があたかも鶏卵の殻のように薄いものをいいます。
釉だけで胎土のないようにみえることからまた脱胎といい、俗に鶏蛋殻ともいいます。
日光に映ずると表裏を透かして指の影を見ることができ、花紋のあるものもまた内側から外側の花紋が見え、款識のあるものもまた同様であります。
製作の能事を極めたものといえます。
これらの器は中国明代永楽年間(1403-24)より始まり、清代康煕・雍正(1662-1735)において倣造し、乾隆(1736-95)以後になると倣造できなくなりました。
壺隠道入臭十九の作も有名。
(『陶説』『景徳鎮陶録』『匋雅』『飲流斎説甕』)