牛戸窯 うしのとがま

因幡国八頭郡西郷村字牛戸（鳥取県鳥取市河原町牛戸）にありました。
天保年間（1830-44）同地の瓦工平八のあとを受けて金河藤七が製陶を始めましたが、石見国（島根県）の人小林梅五郎がさらにこれを受け継いでします。
1870年（明治三）に梅五郎が没したのちはその実子が継業しました。
明治年間はこの窯の全盛時代で各地に販路が開けていましたが、その後次第に尾張・美濃（愛知・岐阜県）の産に圧倒され、わずかに水甕・丼・小鉢・摺鉢などを産するだけとなりました。
（『工芸』一二）