磁器の一種。釉薬の中に少量(2%前後)含まれる鉄分が、還元炎焼成されて酸化第一鉄となり青緑色に発色した磁器。鉄分が 少ないと青白磁となり、さらに少なければ白磁となります。
また釉薬中の鉄分が多いと黄色から褐色、さらに黒色となります。
古く中国の殷・周時代に始まり、戦国から前漢時代に一般に使用されるようになった灰釉陶が青磁の始源と考えられています。
三国・六朝時代になりますと、古越磁 (こえつじ)といわれる青磁が越州窯でつくられました。
北宋になると華北の汝窯や官憲でつくられましたが、南宋になると修内司官窯・郊壇官憲や民窯では龍泉窯で優 れた青磁がつくられました。
日本ではその時代と色によって、南宋代の粉青色を呼ばれる鮮やかな青緑色の砧手(きぬたで)、元代から明代にかけてのやや黄色味を 帶びた緑色の天龍寺手(てんりゅうじで)、明代後期の透明性のある淡い翠青色で貫入があるのが特徴とされる七官手(しちかんで)と呼び分けてきました。
高麗時代の初期になると朝鮮に伝えられ、いわゆる高麗青磁がつくられるようになりました。
10~13世紀にはヴェトナムに、13世紀にはタイにも伝えられました。
日本では江戸時代になってから青磁がつくられ、佐賀県有田の伊万里青磁・鍋島青磁などが有名であります。
青瓷(せいじ)
青磁のなかでも、器胎が陶器質の場合にこの文字を使う場合があります。
「青磁」は磁器質を表します。