Kenzan: set of deep small bowls with different designs, underglazebrown and blueHeight 10.1cm each Yuki Museum of Art
高さ10.1cm 口径6.0cm 底径6.9cm
湯木美術館
白化粧鉄絵具と呉須を併用して、四季の風物を絵替りに雅味豊かに下絵付した向付や茶碗 皿なども、乾山焼の主要な作風の一つです。
この筒向付は現存するもののなかではもっとも優れたもので、焼き上り、保存ともに、まことに良好です。十客見事に揃い、それぞれに芦鶴、芝、蕨、春蘭 松 槍梅 柳 帆掛舟、笹、菊などの文様を、内外ともに白刷毛下地の上に染付と鉄絵具で描いています。
白刷毛が霞のような趣であるのも、当然意識してのことでしょうが、なかなか効果的です。
浅く削り込まれた底の中央、白化粧下地の上に鉄絵具で 「乾山」の文字をいずれも書していますが、その文字は楕円内にいかにも気楽に次から次と書かれたものらしく、画一的ではなく不揃いですが、文字から受ける気分はいずれも同じで、やはり乾山の筆と思われます。
共箱に納まって伝存しているのも珍しいです。
