大名物。漢作茄子茶入。紹鴎所持の茄子茶入は二つあるようで、これはその一つ。総体に飴色で光沢が麗しく、青瑠璃色の景色があります。
一ヵ所腰筋のあたりまで湾大した大間があって、格好は優美であるようで、この種のうち最も茶味に富んだものの一つであります。
紹鴎ののち辻玄哉、肥前鍋島帯刀(1587、天正一五年)、武蔵国川越城主松平大和守(1679、延宝七年)を経て1919年(大正八)益田信世に大りました。
(『古今名物類聚』『茶事秘録』『万宝全書』『大正名器鑑』)