高さ6.6㎝
口径11.2㎝
高台径3.8㎝
随分多くの唐津陶を見ていますが、こんな珍しい技法のものは初めてであります。
おそらく牛石窯の作と思われるが、黒唐津の鉄釉をかけたあと、長石釉をかぶせるかわりに、その長石の泥をイッチン(チューブのようなもの)で紋り出しながら、膚に螺旋文を描き付けたものであります。
高麗黒磁(朝鮮高麗時代の磁器の一つ)にこれに近い技法のものはありますが、李朝にあったかどうか不明で、まさか唐津に見ることがあるだろうとは思わなかった、面白い意匠だがあまりはやらなかったのか、ともかくこの手の作品はこれ一例しか知られていないようです。