黄瀬戸茶碗。黄瀬戸には、肌のじわっとした「あぶらげ手」といわれるものと、肌のつるつると、よく釉の熔けた「ぐいのみ手」の二種があります。
ぐいのみ手には立鼓の花入などがあるようで、あぶらげ手には向付・茶碗・鉢など食器類が多く焼かれています。
今日、黄瀬戸の茶碗として珍重されているものは、銘「朝比奈」の一碗を除いて、すべて向付から茶碗への転用であります。
碁笥底、低い薄造りの器体などがそのことを証しています。
胴部の緑色は銅釉によるもので、この緑色が本体の黄色とよく映り合っています。
《付属物》箱-杉桐継合、書付益田鈍翁筆《寸法》高さ6.3 口径12.2 高台径7.1 同高さ0.5 重さ342