高さ6.5㎝
口径7.2㎝
高台径3.9㎝
このぐい呑は木賊の文様を描いたぐい呑です。
唐津のさまざまな作品のなかで、一種独特の愛着をもって迎えられているものに、ぐいのみと呼ばれる猪口があります。
ほぼ掌のなかに大るくらいの小器で、珍味を大れるのぞき(深めの向付)に用いられたり、濁酒の盃となったりしたものらしい。
したがって形はほぽ筒形の単純なものがふつうで、特に目立った異形はないようです。
つまり造利的にどうこうというようなものではないから、見所は専らその釉調の面白さ、絵のあるものについてはその絵の趣に置かれることになります。
そして、酒好きの人々にとっては、この小器に酒を満して掌中に抱き、酒を味うかたわら、その風情をめでることがこよない楽しさにつながるといえよう。
ことさらめいた解説は、ここではむしろ無くもがなというものであります。