高さ9.5cm 口径21.3×23.7cm 底径8.3cm
立ち上がりの深い大振りの鉢で、縁を捻り返して玉縁にし、一方を押さえて楕円に歪ませ、 高台はやや高く、二か所を切り込んで割高台にしています。 見込いっぱいに芒の文様を二株黒々と描き、 高台を除いた全面に土灰の混じった長石釉を厚くかけています。 釉膚は青みをおびた灰色に焼き上がって、 見込はほのかに赤みを呈しています。この種の大振りの深鉢はほとんど類例をみません。 甕屋の谷窯の作でしょうか。
絵唐津 薄文 鉢
高さ7.2×9.5㎝
口径21.3×23.7㎝
高台径8.3㎝
大きく深めの鉢の見込いっぱいに、うねるような薄の二茎を色濃く描き付けた雄作であります。
轆轤で一気に挽きあげた鉢のロをぐるりと外にひねり返して玉縁とし、一か所を強く内に押えてひずみをつけ、一種の沓形を目指した作であります。
削り出した高台に二か所切り込みを入れ、割高台としたあたり、織部好みをふまえた造型であることが見てとれます。
しかし絵の方は勢いがあまるくらいで、けれんみが全くなく、緑の三か所に散したX字文とともに、おおどかな気分を漂わせています。
長石を含んだ灰釉が青く還元し、絵が冴えます。
甕屋の谷窯の作であるでしょう。