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鶴田 純久の章 お話
越前 四耳壺
越前 四耳壺

Echizen ware: jar with four handles. 16th century. Height 24.6cm.
16世紀
高さ24.6cm 口径8.9cm 胴径24.1cm 底径14.9cm
 短い直立する口頸部の尖端はわずか上向きに折り返されて、上面は1cm前後の平縁となっています。胴の中央部が大きく張り出し、算盤玉にちかい形をしていますが、底部が大きいため、器全体がさほど大きくないにも拘わらず重厚感を与えています。肩に四個の横耳を付けていますが、いま一耳が欠損しています。素地は鉄分の多い土を用いており、よく焼き締められて、器面全体が茶褐色の光沢のある肌をしています。肩にかかった暗緑色の自然釉が一部胴下半に流下して、この壺の美的効果をたかめています。肩に干の箟描きの窯印があります。
 口縁端の形状からみて、16世紀前半にその製作年代を求めることができましょう。数少ないこの四耳壺は特別の目的をもってつくられたものでしょうか。

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