中興名物。
箱書に「キ子ナリ」と小堀遠州が記していますが、それはすなち「杵なり」のことで、一般にいう下蕪形です。
首周りに上下二段の彫り文があり、一風変わった象耳が付いています。
全体に落ち着いた上品な姿で、清楚で女性的な花入です。
古銅は銅・錫・鉛の合金で、茶褐色ですが、銹びて黒色を呈します。
また古銅の古を胡にあてるのは修飾の役もあります。
胡は北狄・夷狄をいい、中国北方の蛮地を意味しますが、ここでは中央アジア・東南アジアを含んだ中国全体を原産とする金物と解してよいです。
【付属物】 箱―桐白木、書付小堀遠州筆
【伝来】 小堀遠州大津久次
【寸法】 高さ:24.6 口径:7.0 胴径:12.3 左右12.1 底径:8.6