伝源順筆。
『万葉集』巻四断簡(国宝手鑑 『翰墨城』)。
『桂本万葉集』の断簡を「栂尾切」(伝源順筆)・「鎌倉切」(伝宗尊親王筆)という。
現在は御物となっているが、巻四の断簡が分蔵され、手鑑に貼られたり掛幅に仕立てられている。
白地・青地・紫地などに染めた鳥の子紙に金銀泥で、小禽・草木流水などが描かれ、題詞を高く、真名一行十五字二行書とし、仮名も二行書としている。
現存する「五大万葉集」中最も古く、「高野切」第二種(源兼行筆)と同筆と認められ、書写年代もほぼ同じ頃である。
真名の書写に一段とすぐれ、用筆は巧妙で、現存『万葉集』中の白眉といえる。
【寸法】本紙―縦25.7 横19.1
【所蔵】救世熱海美術館