高さ2.8cm 口径25.7×17.9cm 高台径17.4cm
花散文 高台皿と比べると、作振りはかなり整い、いわゆる古鍋島様といえるものになっている。
もちろんこれも生がけ施釉で、表には呉須を薄瑠璃にだみ塗りし、花様文を白抜きにして、そこに赤、黄、緑で花と葉をあらわしている。類例は三点見ているが、州浜形変形の器形は面白く、どこか自由な造形性がうかがわれる。素地は生焼け気味で、高台は高く、裏面は白無地である。そして三つの山疵に上絵をさしているのも興味深い。南川原古鍋島の初期のものではなかろうか。
以上の二点は、従来管見の古鍋島様の作例のなかでも、特に古調のものであった。