中興名物。
タイ国の古窯スワンカローク産の陶器で、桃山から江戸初期にかけて南蛮貿易により請来された。宋胡録香合中、他に類をみない形容ゆえに別格の逸品として茶人間に推賞された。番付にはない。その称は、蓋表の柿釉の部分と胴下の部分が九角をなしているところからと思われる。蓋横の文様は藍唐草、身横は草花の割描きで、鉄釉を用いて描いている。
はじめ小堀遠州が秘蔵し、のちに松平不昧の愛蔵するところとなり、『雲州蔵帳』中にも中興名物に格付けされた。
【付属物】内箱―桐白木、書付小堀遠州筆 外箱蓋裏書付
【伝来】小堀遠州―松平不昧
【寸法】高5.0 口径:5.5 胴径:6.8 底径:4.0 重さ:105