この香合は、箱書に「玉章宗和所持」とあるように、金森宗和の好みにので、その茶風が偲ばれ、おそらく宗和自慢の逸品であったと思われる。
仁清の作振りもまた、結び玉章の形をよくし、白釉をうっすらとかけ、紙うすうすと結び上げた様子が格別である。彩色は、中央結び目に赤の鹿の子・緑の唐草・紺の市松の各文様を描き合わせ、まさに女文の優美さを遺憾なくみせている。また柔らかな釉だちの上に、火土焼き締まった赤みも出て美しさを増している。
【付属物】箱―桐白木、書付金森宗和筆
【伝来】 金森宗和 前田家 藤田家
【寸法】 高さ:1.4 胴径:8.8 幅2.9 左右17.5 重さ:130