芦屋釜。
重文。
真形。
口造りはきりっとした繰口で、胴には低く鬼面鐶付が付く。
羽は落とし、底を替えている。
胴周りには薄い肉取りで古風な浜松図を鋳出している。
釜肌は鯰肌で光沢があり、文様も浜風に吹かれる松樹の姿を繊細に表出し、優雅な美しさを出している。
花の実摘みの唐金盛蓋もふっくらと丸みを帯びた釜の形姿とよく調和し、品格の高い麺をみせている。
箱に「芦屋末松山之釜」と遠州筆で書かれているが、この「末の松山」の銘は古歌によるものであろう。
このような「浜松図釜」は古芦屋釜の中に数多くみられるが、中でも稀にみる古風な上作である。
【付属物】箱—書付小堀遠州筆
【寸法】 高さ:19.2 口径:14.2 胴径:24.2