瓢箪の形をした釜で、口造りは輪口とし、胴の中央にくびれをつくり、二重ふくらみにしたもので、くびれたところに遠山の鐶付を付けている。
この形の釜を「瓢箪釜」ともいう。
胴は挽き肌であり、桜花を散らした図を鋳出しているが、桜に瓢箪といった題材による作釜は洒落ている。
『名物釜所持名寄』の芦屋作に「極上作 瓢箪釜鐶付松笠 千本松地紋」があ天命作に「瓢箪釜」をあげているなどこの釜には種類が多く、利休好み・織部好み・一燈好みなどがある。
織部好みは中央のくびれたところからやや下がったところに鐶付が付くが、利休好みは上部のふくらみがやや大きく、肩に獅子鐶付を付けている。
【寸法】 口径:89 胴径:16.7