尊氏金襴 たかうじきんらん

尊氏金襴
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鶴田 純久の章 お話
尊氏金襴
尊氏金襴

明代。
名物裂。
大徳寺に現存する金襴縫い合わせ打敷の外縁に使用されている裂で、裏面には天文七年(1538)十月に大内義隆によって寄進されたことが記されている。
したがって織製は明代嘉靖年間を下らないものである。
釣石畳裂が足利尊氏の鎧直垂の裂と同系のものであったところから、尊氏金襴の呼称が生まれたのであろうが、直接関係のない名称であり、むしろ別名の大徳寺金襴の方が妥当と思われる。
白地に小石畳紋を並べ、その中に珠点を入れ、「米」の字風の花紋を間に配して石畳を釣るように紋様を現わしているところから、釣石畳金襴と呼ばれている。
江月裂に比較してはるかに洗練された典雅さを保っている。
【所蔵】前田育徳会

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