黒楽
付属物
内箱 桐 白木 書付 元伯宗旦筆
中箱 黒塗
添状 如心斋宗左筆
伝来
久須美疎安―江原忠七―矢倉家藤田家
寸法
高さ：8.5cm 口径：9.2～9.5cm 胴径：10.8cm 高台径：4.8cm 高台高さ：0.8cm 重さ：345g
所蔵者
大阪 藤田美術館
宗旦銘で、銘の由来は「あやめ（宗旦銘）に似て少し麁なる故此名目あり」（『楽焼名物茶碗集』）とあって、あやめに似たのに因んだ銘である。外七種の内である。秀れた長次郎茶碗に宗旦銘の多いのは注目されてよい。
姿は大黒風の裾の丸い穏やかな利休好みで、作りは総体にぼってりと肉厚で、口はやや抱え、内面胴回りの中ほどで胴締めふうに出張り、茶溜りは広くてくぼんでいる。口縁は高低があるが、自然で巧みがない。釉肌は光沢なく、いわゆる釉肌で、見込みは茶釉肌が見事である。侘びた味わいがまことに深い。高台造りは頑丈な感じで、脇の釉がかりがいっそう趣を添えている。高台内は巴になって
いる。
