書名。写本一巻。糞心道人奈須菊庵の遺著。
明治壬申(五年)7月廿3日の奥書があります。
わが国に舶来した中国青磁を分類して、砧・朝顔・竹の節・福禄手・浮牡丹手・人形手・珠光青磁・飛青磁などとし、中国古文献を引いて解説したものです。
青磁研究の書としてはすこぶる整頓したものといわれています。
奈須菊庵は名を玄竹といい、旧徳川幕府の医官でまたいわゆる物産家であったということであります。
江戸本所あたりに住んでいたといいます。
国会図書館に今泉雄作旧蔵の一本があります。
『書画骨董雑誌』第百十九号に全文を転載。
なお刊本に大西林五郎の『註釈青甕説』がありますが、不必要な贅文が多くまた不穿盤のうらみがあります。