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鶴田 純久の章 お話
加彩婦女俑
加彩婦女俑

俑とは人型の像のことをいい、木製・陶製・金属製などの別かおります。
主として祭祀や副葬に当てられたものです。
中国河南省安陽の殷墓からは殉葬者に代わるものと考えられる陶製の奴隷像が出土しており、俑の最も早い例といえます。
俑を副葬する風は戦国頃から次第に普及し青銅製・木製・陶製の出土例が知られていますが、それらは殉葬者の代用品というより生前の生活を墓中に再現するという意図の方が強く、文武の官人や侍女・楽舞人・軽業師などまでつくられるようになりました。
後漢頃から俑の大部分は陶製が占め、灰陶に彩色を加えたものから緑・褐二色の鉛釉で飾られたものまで出現しました。
こういう俑の生産・使用は六朝時代前半の空白期を経て北朝でまた栄え、隋・唐代に入ると黄白釉や三彩釉で飾られた華麗な作品が登場するようになりました。
宋以後の社会でも俑は用いられましたが、葬礼の変革に伴いその造型も退嬰し見るべきものは少なくなりました。

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