印紋陶 いんもんとう

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鶴田 純久の章 お話

字義からいえば型押し文のある陶器ということでこの定義に該当する作例は東西に少なくないようです。
しかしこの呼び名が主として用いられたのは、中国の上代に各地でつくられた叩き目のある陶壺類で、現在印紋陶といえばそれらを指すのが普通であります。
中国では殷の灰釉陶や灰陶にすでに叩き目のある作品が多く、初めは器形を調整するために付けられた叩き目が次第に文様としての性格を強めてゆくようになります。
中でも揚子江流域の浙江・江蘇一帯で周末から漢初にかけて盛んにつくられた焼締めの灰白色陶には、方格文・菱形文・羽状文などの細密な印紋が印されていて、印紋陶の代表のようにみられています。

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