躍り箆 おどりべら

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鶴田 純久の章 お話

轆轤に器物を据えて削りを入れる場合、箆の当たる角度が大きくなりますと、箆は轆轤の回転に撥ね上げられて肌に手斧をかけたような削り目が付くことがあります。
これを蹟り箆または飛びがんなといいます。
もちろん初めは偶然に生まれた現象でしょうが、のちにこれを利用して肌一面に絣のような文様を彫り付ける装飾法が出てきました。
わが国の民芸陶器などにもよく用いられていますが、この技法が最も効果的に応用された例は、中国磁州窯の白黒化粧地のものであるでしょう。
すなわち白化粧の上にさらに黒を掛けた器の肌にこれを適用しますと、箆か当たったところは下の白が顔をのぞかせ、里一地に白の飛白文が浮き出します。
いわゆる磁州窯飛白手であります。
※とびがんな

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