高さ18.8cm 口径20.8×25.1cm 底径18.1cm
信楽では古来、この種の器形を鬼桶と称しています。本来は雑具として苧(麻)を績む(繊維をそろえ捻りを加えて糸にすること)ための苧桶として生まれた器形であろうが、それが見立て道具として用いられ、室町時代後期頃から水指として作られるようになったものと思われる。紹鴎時代の作ということから、一般に紹鴎信楽と称されています。楕円に歪んだ口部に段をつけ、裾にかけて直線的にすぼまり、底は平底であります。茶褐色に焼き締まった土膚に長石粒が無数にあらわれ、外側一方に灰釉がずっぽりとかかっています。この種の鬼桶水指としてはもっとも優れたものと思われる。