オリエント先史土器 オリエントせんしどき

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鶴田 純久の章 お話

オリエント最古の土器はチグリス河流域のジャルモ遺跡の出土品で、紀元前六千年から五千年頃と推定されます。
麦藁状のスサを混ぜた土でつくられた鉢・碗の類で、幾何学的な文様を施したものがあります。
次のハッスナ期には壺かおり、幾何学的文様の刻文や彩色文様があります。
次のサ一マッラ期からは人間・山羊などの文様が描かれ、ハラフ期には赤・白・黒などに彩った多彩な土器かおり、文様も幾何学文から動物・鳥などの文様に及ぶ。
次のウバイド期になると明白な植物文・動物文が現れます。
このような彩文土器が特に発達しだのはイラン高原の文化で、それについては別項を参照。
そのほか注目されるのは紀元前十四世紀以来のアッシリアの宮殿の彩釉煉瓦の使用と、紀元前八世紀後半の新バビロ二アの宮殿の彩釉煉瓦で、黄・赤・白・青などの多彩な色の組み合わせか用いられました。
一方アナトリアの高原地域では著名なヒッタイトの文化があり、ここではくちばし式の注口の付いた水差が特徴であります。
多くは赤褐色の釉か掛かり文様はなく、その形はたたずむ鳥を思わせます。
台付きが多いが中には尖底のものもあります。
地中海岸に連なる地方には紀元前三千年紀以来カナアンの文化があり、その中ではウガリトが有名であります。
特徴あるのは尖底で大きい円形の把手の付いた細長い壺で、赤いスリップの上に黒の幾何学文がみられます。

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