祥瑞丸 腰鎬 在銘

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鶴田 純久の章 お話

寸法
高さ:7.2cm 口径:7.1cm 高台径:5.4cm 同高さ:1.0cm 重さ:195g

 変形した沓形に対して、これは祥瑞丸とよばれます。たしかに楕円ではなく正円を保っていますから、丸とよんでいいわけですが、形の上からいえば、むしろ筒というべきものでしょう。
 しかしこの筒は、なかなか単純な筒とは違います。口縁の石畳文のところはすなおな円筒形をなしていますが、その下、窓抜きで騎馬人のえがかれている部分は、たがをはめたように隆起しています。
 そしてまた平坦な波文帯を経た後、腰から下は堅の鎬ぎというか、面取りになっています。甚だ複雑な形制といわねばなりません。
 そして図で見ればわかるように、その各部につく文様がそれぞれに趣好をこらして、楽しい変化を見せてくれます。ことに腰の面取り部では、一面おきに瑠璃地窓抜きで詩句を書き、その間の面には、文雅な山水人物を配するといった、非常にしゃれた構成を見せてくれます。染付の色合いも鮮麗で、最高の作といってさしつかえません。

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