焼成前の無釉の胎。
ただし陶磁器においては製作工程が非常に多く、成形後数度の焼成をなし各階程でいちいち完結があるため、素地の語は種々の場合に用いられます。
すなわち精製・調合などの適当な処理を経た原料坏土を素地土あるいは単に素地と称すると同時に、焼上品に対して生の未焼成品を生素地、上絵付品に対して白い焼上品を白素地と称するような例であります。
諸原料は粉砕・水簸・調合を経て脱水のうえ貯蔵し、さらに提練を加えてこれを成形します。
もし坏上が純白でない場合は生地の素面を白くするため、あるいは顔料の呈色をよくするためにある土石の泥漿を素地面に塗ります。
これを化粧土といいます。
無釉の胎の装飾手法としては、まず水簸以前の粗陶器ではその素地中に砂粒などを含むものが多く、時には石はぜなどの奇変を現すものがあります。
また信楽などにみる砂粒の吹き出した素地などがあります。
やや進んでは練り上げ手あるいは揉込みのように、二色以上の土を提ね合わせて斑文を出す工夫があります。
しかし、一般素地は単色を常とし、主要な装飾としては植櫨目を中心として、その他箆目・彫刻・象嵌・盛上げなどの装飾技法があげられます。
※きじつち
生地・素地 きじ
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