中国唐代洪州(江西省南昌府)にあった陶窯。その製品は色が黄黒であったという。『茶経』に「その色褐にして茶色を黒からしむ、また品は寿州に次ぐ」とある。洪州窯の窯跡は南昌の南郊約四キロの地点にあるが、まだ発掘調査が行なわれていないのでこの窯の製品に関しては不明な点が多い。東京国立博物館の横河コレクションに属する蓮弁文を片切彫りにした大皿が唐末の洪州青磁と目されているが、酸化気味の焼成で釉色は黄ばみガラス質の釉面にはこまかい貫入が一面に走っている。青磁の質としては岳州のそれに近いものといえよう。
洪州窯 こうしゅうよう
お話

