叩 たたき

叩き造り
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鶴田 純久の章 お話

技法の称。唐津独特の伝統技法。古くは紀元前より中国で生産され、日本には朝鮮半島を経て伝わり、様々な変化を遂げ須恵器となり日本各地に伝わり生産されるようになります。
須恵器と唐津の叩との関係は定かでないようです。

朝鮮半島には新羅のころの焼き物があるがそれと古唐津の叩壺なんかはよく似ています。
室町末期より桃山期では日本の各地ではあまり見受けられないようです。
これより判断するには、この叩技法は、唐津へ朝鮮半島より轆轤(ロクロ、円盤状の上で焼き物の生地を成形する道具)の上での水引をする轆轤成形技法と供に伝わってきたと推測されます。
今日でも東南アジア周辺や世界各地でも生産されています。

その特徴は見た目より軽く、瓶・壺・水指・花入・徳利など袋状になった形の生地を成形するときに使われている技法で、その意味合いとして、穀物を入れたり、水・油・塩など入れ たりして持ち運びするときに器自体が重いより軽い方が適したと考えられます。
当然、水引の轆轤成形した物よりも叩成形した方が薄く軽く仕上がります。

叩成型法とは、轆轤の上に底の部分となる板を作りその上から紐状の撚り土を積み上げていく紐作り技法で円筒を作り、外側に木製の叩板で内側に丸太のしんで作ったあて木をあて外側より叩ながら、土を締め薄くのばし成形をする(叩かずにそのまま水引をするという板おこし技法もある)。内側には丸太の年輪の跡が付き青海波状紋(セイカイハジョウモン・上左端画像)という名前まで残っています。

古唐津の初期の頃は瓶や壺などが主でしたが、お茶の文化が入ってくるとその軽さ故、塩壺などを水指に見立てたり、水指や花入も生産され今日に引き継がれています。
上の中央の画像は古唐津叩水指の口部分の破片であります。

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