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鶴田 純久の章 お話

 これらは乳白手色絵の円形の皿であります。やはり元禄頃の作ではあろうが、やや時代が降るものかもしれない。しかし1710年代、すなわち享保初期を降るものではありませんでしょう。図138は竹虎と牡丹、雛をあらわし、文様にどこか大らかさがないが、珍しい図柄の皿であります。
 裏は白無地で、高台内に目跡が五つ残っています。図139は松竹梅に二羽の鳥を配した図が絵画的によくまとまっています。やはりヨーロッパへの輸出用でありましましたが、近年に請来されたものであります。図140,141は、いずれもこの種の皿としては特に絵文様の優美なものであります。
 図142は見込に菊と梅の折枝を相対してあらわした瀟洒な図柄の皿で、八弁の輪花にした縁まわりにレースのような文様をめぐらしていて、高台内に目跡が四個残っています。図143は松島のような図があらわされています。乳白手素地の余白を充分に生かした洗練された絵文様で、類例は少ない。

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